八幡山の町会所を平成20年1月5日に着工し、無事に6月5日の完工の運びとなりました。

祇園祭32基のひとつ「八幡山」では、代々引き継いで来た「町会所」を所有しています。各鉾町の永い歴史の中では、様々な障害が有って町会所を手放されたところも有りますが、幸いにして、八幡山では先人の方の御努力により、「町会所」を引き継いでいます。そのおかげで、これまで滞りなく基材や懸想品を町内で保管し、宵山飾りも続けて来られました。しかし、建築後150年と推定される現在の家屋はさすがに傷みが目立つようになりました。そこで、ずいぶん前からあれこれと検討・対策をして10年以上の年月が経ちました。

そんなときに、京都景観センター・京町家ファンドから呼びかけを頂き、ご協力ご支援を得ることができ町会所補強改修の機会を得ました。八幡山理事会と、京町家再生研の協力、京町家作事組の施工により、復元修復をいたしました。新町通に面している表家屋は、新たに瓦葺き2階建てに改修いたしました。

祇園祭山鉾巡行時には山鉾が通る街である新町通にふさわしい「街並み景観」に配慮し生まれ変わりました。「八幡山の町会所」を元禄時代の築とされる「土蔵」と共に御覧ください。

町会所とは

町会所の建物はおよそ会所家・土蔵・お社などから構成されています。

八幡山の町会所は、江戸時代後期の建築で約150年前と推測されています。蔵は江戸・元禄時代の建築と推測されています。

「町会所」は、神事のための寄合、宵山の会所飾りなどを催します。八幡山の町会所は、瓦葺き平屋で奥深い京都の町家建築方式をとっています。昭和初期まで現在の町会所と同じ様式で、北側にも一棟が建っており、両棟の間を通り、奥のお社にお詣りをしていました。今の鯉山、霰天神山の町会所では今も見られます。

「蔵」はお山の資材・懸装品を保管します。

「お社」は御神体の奉安所です。八幡山町内の人々の信仰の対象で常にお詣りをして大切にしています。八幡山では毎年正月元旦の朝にご神前に町内の人々が集まり新年拝賀式を執り行い一年の無事安全をお祈りしています。

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