八幡山の懸装品

八幡山では、数多くの懸装品(お山を飾るための織物、金細工、彫り物)を多数有しています。 八幡山の前懸、胴懸、見送など、貴重な染織品が多く残されています。

水引は古来の金地花鳥仙園図唐繍にかわって昭和61年より十長生図の刺繍が用いられている。「十長生」とは不老長寿を意味する。前懸は慶寿群仙図で元禄3年(1690)に寄進されたものを昭和62年に復元新調したものである。見送は日話双鳳人物文様の綴錦と藍地雲竜文様蝦夷錦がある。欄縁の彫金飛鶴は河原林秀興作と伝えられ、朱塗鳥居の上には左甚五郎作といわれる木彫胡粉彩色の鳩が飾られる。

八幡山の巡行飾付けは、2種有ります。一つは、麒麟の胴掛けに童の見送り。もう一つは、慶寿裂の前掛けと龍の胴掛けに龍の見送りです。毎年交互に飾付けして巡行しています。

麒麟の胴掛けに童の見送りでの巡行写真です。

慶寿裂の前掛けと龍の胴掛けに龍の見送での巡行写真です。

はちまんやまのまえかけ はと

この前掛けは、宵山の常懸けに使用しています。寸法:幅162cmX高さ188cm

毎年7月21日から7月23日までは、常飾りの見送りを飾付けます。昭和8年に新調しました。

また、胴掛けも常の胴掛けを飾付けます。平成4年に新調しました。

はちまんやまのみおくりのふさかけかなぐ

見送り掛け金具は、天保8年作です。

左右で一対です。

房を金具の溝にはめ込みます。

見送り上部の金具に差し込みます。

これで、装着完了です。・・見送り掛け鳥居に、見送りを掛け、このようになります。

はちまんやまのかきぼうかざり

木箱に入った、四角い金物(轅先金具:えんさきかなぐ)十六個はお山を担ぐ為の舁き棒の先端を飾るものです。 天保九年作と伝えられています。

はちまんやまのかきぼう

お山の木組みに舁棒を取付けます。・・舁ぎ手20名がこの舁棒を肩を載せます。

はちまんやまのふさかけ

飾り台に掛けられた、4個一組、菱、岩、花の3種類の金物は、お山の四隅(よすみ)を飾る房掛けです。

はちまんやまのみおくりすそのふさかけ

見送りの裾には霊芝の模様の金具を7個付けます。下記写真が取り付けた写真です。

はちまんやまのりゅうのみおくり

大きな2枚の織物は、見送りと言って、お山の後ろを飾る華々しい物です。龍の柄(雲龍波涛図)(宝暦年間)、と童の柄(日輪双凰の帽額附き)(天明5年(1785)の制作です。)2枚有りますので、 1 年おきに巡行にか懸けています。いずれも250年前の製作です。 見送りの上には、丸い大きな金具の飾り物を2個、裾にはやはり金物細工による、 葵の模様の金具を7個つけます。 真ん中に、黒塗りの柱に金色の金具を施した長い棒が3本有ります。これを見送掛金具と云い、和州法隆寺写し水滴模様木彫り漆箔押しで、これを、鳥居の形に組み立てて見送りを掛けます。 天保八年の作です。寸法:149cmX235cm

この見送掛金具を鳥居の形に組み立て、見送りを掛けている写真を次に掲載します。

まず、東西(左側、右側)の柱を建てました。次に上の部分の取付です。

これで、鳥居の形に組み上がりました。

鳥居に組み上がりましたので、見送りを掛けます。

はちまんやまのわらべのみおくり

大きな2枚の織物は、見送りと言って、お山の後ろを飾る華々しい物です。龍の柄(雲龍波涛図)(宝暦年間)、と童の柄(日輪双凰の帽額附き)(天明5年(1785)の制作です。)2枚有りますので、 1 年おきに巡行にか懸けています。いずれも250年前の製作です。 見送りの上には、丸い大きな金具の飾り物を2個、裾にはやはり金物細工による、 葵の模様の金具を7個つけます。 真ん中に、黒塗りの柱に金色の金具を施した長い棒が3本有ります。これを見送掛金具と云い、和州法隆寺写し水滴模様木彫り漆箔押しで、これを、鳥居の形に組み立てて見送りを掛けます。 天保八年の作です。寸法:218cmX164cm

はちまんやまのうしろかけ

後懸(円紋に花尽くし文様 インド更紗) 寸法:124cmX160cm 文化元年(1804年)

はちまんやまのせいじゅうさんたいどうかけまく

紺地に麒麟(きりん)の図柄の織物は、平成二年に復元新調致しました、胴懸けです。この胴掛けの収納箱の蓋の写真を掲載します。寸法:89cmX199.5cm

はちまんやまのきりんのどうかけ

この麒麟の胴掛けは、平成二年に復元新調した元となる胴掛けで、現在は、懸装品として使用せず収蔵庫にて保管(非公開)しております。天文5年(1740年)です。

以前の胴掛け

はちまんやまのりゅうのどうかけ

何枚もの織物は、お山の胴飾りで、横長の金色のものは、水引(みずひき)と言って、 胴の上の方を飾ります。薄地に龍の柄は、水引より下の胴を飾ります。文化元年(1804年)寸法:89cmX199.5cm

はちまんやまのまえかけ けいじゅぎれ

漢詩の文字が正面に織り込んで有るつづれ織は、慶寿裂(けいじゅぎれ)と言って前掛けになります。

寸法:145cmX168.2cm

この前掛けの図案は、元禄時代の八幡山見送り(下記写真)の消えかけた文字を赤外線カメラで判読して再現したものです。

前掛け、水引は、ともに、昭和六十一年に新調したものです。

はちまんやまのみずひき

何枚もの織物は、お山の胴飾りで、横長の金色のものは、水引(みずひき)と言って、 胴の上の方を飾ります。この水引の図案は、文化6年の旧水引を参考に昭和61年に新調しました。寸法:240cmX60cm 薄地に龍の柄は、水引より下の胴を飾ります。

旧水引

これも現在は、懸装品として使用せず、収蔵庫に保管(非公開)しております。

文化6年の作です。

はちまんやまのつるかなぐ

この、漆塗りの欄縁の黒に、ひときわ映えて取り付けられるのが、鶴の形の金物です。 祇園祭山鉾巡行当日は、これもお山に載せて、第一装の飾りに仕上げます。

※天保7年(1836年)

はちまんやまのらんぶち

お社の廻りの黒塗りの囲いは、欄縁と言います。雲の高浮彫隅金具の間に八木寄峰下絵の鶴をあしらったもので、細工人・河原林秀興、錺師嘉兵衛、彫師彦七の作で、 天保九年160年前の作になります。これも祇園祭山鉾巡行当日お山に飾ります。

はちまんやまのきんぺい

金色鮮やかな御弊は、お山の正面の左右を飾るものです。八幡山では、二組所有しています。
旧御弊は、天保8年のもので、宵山飾りで使用し、新御弊は、昭和10年の作で、7/17巡行時に使用しています。

※天保8年(1837年)

はちまんやまのはといっつい

(ひだりじんごろう)(文禄3年(1594年)~慶安4年(1651年)頃)作と伝えられる鳩雌雄一対の鳩は、夫婦和合のしるしとして今日まで信仰を集めて参りました。この鳩一対も7月17日の巡行時には鳥居の上に載せます。

平成24年3月に復元・新調した鳩一対(下記写真)は、7月巡行時より使用し、左甚五郎作と伝えられる鳩は展示専用とします。

はちまんやまのとりい

八幡山には鳥居が二組有ります。旧鳥居は、天明5年(1785年)で指物師興兵衛作と伝えられており、また新鳥居は、天保9年(1838年)作です。

はちまんやまのへんがく

新扁額(天保9年)

鳥居の旧扁額の方は寛文元年(1670年)、新扁額は、天保9年(1838年)と伝えられています。

宵山には、旧鳥居、巡行には新鳥居をお山に飾っています。

はちまんやまのふるいへんがく

旧扁額(寛文元年)

鳥居の旧扁額の方は寛文元年(1670年)、新扁額は、天保9年(1838年)と伝えられています。

宵山には、旧鳥居、巡行には新鳥居をお山に飾っています。